献立を考える気力がもう無い日に、実際にやっていること
夕方5時、冷蔵庫を開けて固まる。これが、ここ数年の悩みだった。中身は見えているのに、そこから「何を作るか」に変換する工程だけが、どうしても重い。今は、1週間に1回だけ調理して、5品ほど作り、1週間かけて食べている。決める回数は減ったが、その5品を決める作業は、今も重い。
AIに相談していた頃の、条件文
アプリを作る前から、AI(Gemini)に、献立を相談していた。打っていた条件文は、次のような形だ。
主菜として○○を作る予定ですが、副菜として作るおすすめの料理は何ですか。弁当として持っていきやすく、1週間日持ちさせたいです。余っている材料は○○です。
最低限、次の条件を書いておくと、的外れな提案が減る。
| 書く条件 | 理由 |
|---|---|
| 食べたいもの | 方向性を決める |
| 主菜との食べ合わせ | 相性を補う副菜を出してもらう |
| 日持ち | 1週間かけて食べる前提を伝える |
| 余っている食材 | 使い切る方向に寄せる |
| 食べられない食材(アレルギーなど) | 提案から外してもらう |
※私が実際に打っていた条件と、そこから整理した最低限の条件。アプリがなくても、そのまま使える。
最初は良かったが、提案が似てくる
最初は、きんぴらごぼうや切り干し大根など、良い提案が出た。ところが、相談を重ねるうちに、にんじんしりしりや酢の物が多くなってきた。
1週間分を作り置きするので、偏るのは大前提だ。それでも、5個の提案を頼んでも、野菜炒めの味付けが「焼き肉のたれ、塩コショウ、オイスターソース」に変わるだけだったり、材料が「ピーマン、ニンジン、玉ねぎ」の出し入れだけだったりする。麻婆豆腐のように、ジャンルの違う料理は、なかなか出てこない。
スーパーの店頭で、条件を打つのがつらい
もう一つの問題は、条件を打つ場所だった。買い物の途中、スーパーの店頭に立ちながら、スマホで長い条件文を打つのは、姿勢がつらいし、通路をふさいで、ほかのお客さんの邪魔にもなる。毎回ほぼ同じ内容を、一から打ち直すことになり、入力に10分近くかかって悩んでいた。
条件を「型」にしたら、2分になった
AIには、入出力のトークン数に上限があることを知って、言い回しをあらかじめ「型」にすれば、毎回長く書かなくて済むのではないか、と考えた。それが、今のアプリの「重視すること」「調理の気分」を、タグで選ぶ仕組みの出発点になった。
| 以前(長文を打つ) | 今(タグを選ぶ) | |
|---|---|---|
| 入力の時間 | スーパーで10分近く | 家でも店でも2分ほど |
| 提案の偏り | 似た提案に収束した | ましになった |
| 食べられない食材の指定 | 毎回書く | 簡単に指定できる(私は青梗菜が苦手) |
タグには、彩り、栄養バランス、手軽さ、日持ち、類似材料の消費のほか、冷凍向き、お弁当向きもある。弁当向きは、「冷凍できるおかずか」「詰めたときに汁気が出ないか」を、店頭で毎回考え直すのがつらくて、あとから足した。タグを増やすときは、「自分が実際に毎回考えていた条件か」を基準にしている。
レシピ帳と、AIの提案を組み合わせる
献立の提案だけだと、「何回も作った料理」か「まったく未知の料理」かの両極端になりやすい。そのため、作ったことのあるレシピを貯めておくレシピ帳と、AIの新しい提案を、両方使っている。知っている料理を増やしながら、ときどき、AIに新しい選択肢を混ぜてもらう。それが、今は一番続いている。
決める負担を減らす、2つの方法
献立を決める負担を減らす方法は、突き詰めると2つだと思っている。選ぶ回数そのものを減らすこと(作り置き、繰り返しのメニューを許容する)と、選ぶ作業の一部を、誰か(人でもAIでも)に肩代わりしてもらうこと。両方を組み合わせるのが、今は一番現実的だ。
献立を決める作業は、完全にはなくならない。それでも、同じことを毎回一から考え直す部分だけは、仕組みで肩代わりできる。