お役立ちコラム

実家の味を再現しようとして、九州の醤油が甘いことを知った

18歳まで過ごした実家では、料理にアゴ出汁が使われることが多かった(味噌汁は煮干しを使うこともあったが)。一人暮らしを始めてから鹿児島に住んでいた時期、地元で有名な出汁を勧められて使ってみたのだが、香りというか甘みというか、美味しくはあるのにどこか違和感があった。

「なぜか甘くなる」の正体

一人暮らしを始めて自炊するようになってから、実家の料理と比べて自分の作る料理が甘めに仕上がることに気づいた。レシピ通りの分量で作っているはずなのに、味が違う。不思議に思って調味料の違いを調べてみたところ、そもそも九州の醤油自体が甘いということを知った。分量の問題ではなく、使っている醤油そのものの味が違っていたわけだ。

同じように、たまに外食で飲んだ赤味噌の味噌汁が美味しく感じて調べてみたところ、これも東海地方特有の味噌文化による地域差だと分かった。レシピの分量を疑う前に、そもそも使っている調味料の産地や種類が違えば、同じ分量でも仕上がりは変わる。

レシピ通りに作っても味が違う理由

買い物や分量計算について書いた記事でも触れたが、レシピの分量というのは、想定している調味料の種類によって前提が変わる。全国共通のレシピが、実際には地域の調味料の違いを吸収しきれていないことがある。地域差を知らずにレシピ通り作って「思っていた味と違う」と感じた時は、分量ではなく調味料そのものを見直してみると解決することがある。

家庭の味は、母に聞いてメモするしかない

「家庭の味」を再現する一番確実な方法は、結局のところ素直に母に作り方を聞くことだった。教えてもらった内容をまずメモし、2回目以降に作った時の気づきを自分なりに追記していく、という形で少しずつ精度を上げている。この「分量や調整を記録として残したい」という欲求が、そのままアプリを作る動機の一つにもなっている。目分量で伝えられることの多い家庭の味こそ、記録して初めて再現できるようになる。

レシピは「土台」でしかない

こうした経験から、今はレシピの分量を絶対的な正解として扱わないようにしている。同じ「醤油大さじ1」でも、使っている醤油の産地や種類によって甘さもコクも違う。レシピはあくまで土台で、実際の調味料に合わせて微調整するものだと考えるようになってから、味の再現に対する構え方がだいぶ楽になった。

出身地が違う相手と自炊の話をする時

地域による味の違いを知ってから、実家が違う相手と料理の話をする時の解像度が上がった。「甘い」「濃い」といった感想だけでなく、「醤油の種類が違うのかもしれない」という視点を持てるようになったのは、単純に自炊が少し面白くなった副産物だと思っている。

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